デンタルニュース

2014.7月号 特集:口の中の病気は虫歯・歯周病だけじゃない!

口の中は、顎の骨から歯が歯ぐきを貫いて生えていて、しかもその歯が生え変わるという特殊な環境です。そのため、体の他の部分よりも病気の種類が多いことが特徴です。
★嚢胞(のうほう)
嚢胞とは、体の中にできた異常な空洞で、周りを壁のようなもので囲まれ、その中は液体やドロドロしたもので満たされている状態です。
お口の中で最も多いのは、歯の根の先端が膿んでできる歯根嚢胞(しこんのうほう)です。ほかにもきちんと生えずに埋まっている歯が原因でできる含歯性嚢胞などがみられます。
どの嚢胞も大きくなり腫れることで発見されることもありますが、基本的には初期にはまったく痛みや違和感がないため、他の歯の治療でレントゲンを撮った時に見つかることが多いです。
★良性腫瘍
口の中には多くの良性腫瘍ができます。良性腫瘍のなかで最も多いのが、「エナメル上皮腫」という腫瘍です。顎の骨の中にできるので、小さいうちは無症状ですが、大きくなると顎の骨が腫れることで分かります。他にも、血管がもつれて膨らんでくる血管腫や、脂肪の塊の脂肪腫などいろいろなものがあります。
★口の中にできる癌
口の中のガンは、舌が最も多く、次いで上下の歯ぐきに発生します。よく見える場所なので発見しやすいと思われがちですが、約70%はすでに進行してしまった状態で発見されています。
初期の癌は、ほとんど初期症状がありません。口内炎のように見えるのに、あまり痛みがなく2週間以上たっても治らない場合は要注意です。早めに受診しましょう。
★口の中の病気の予防法は?
お口の中の病気は、初期症状や痛みや違和感がないものが多く、気づきにくいことが多いのが特徴です。また、痛みや違和感が出てもかなり悪くなるまで我慢してしまうことが多く、がんのように早期発見により生存率が上昇する場合でも、かなり進行してから来院することが多いようです。
歯科治療や健診の際のレントゲン撮影などで見つかることもあるので、定期的に受診することが大切です。また、「出血」「膿が出る」「痛みがある」「違和感がある」などの症状がある場合は、小さな事でもご相談ください。お口の中の異変は、「痛くないからこそ怖い」「様子を見るのは2週間まで」を忘れずに!

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