デンタルニュース

2014.6月号 特集:歯周病と骨粗鬆症の関係

福島での原発事故以来、放射能の人体への影響が心配されています。患者さまの中にも、治療で使用するレントゲンの被ばく量を心配される方がいらっしゃると思います。当院では、日頃より、不必要なレントゲン撮影は行わないよう心がけておりますが、より安心して治療を受けていただくために、ご一読いただければと思います。
★歯科のレントゲンは安全なの?
歯のX線検査では、体の障害を心配する必要はありません。自然界から浴びる放射線量は、おおよそ1年間 2.4msv です。歯科で使用するレントゲンは、デンタルレントゲンが(小さいX線写真)約.02msv・パノラマレントゲン(大きな X 線写真)が約 0.04msv と、自然の放射線量をかなり下回ります。デンタルは 1 回で何枚も撮影することがありますが、1 枚が自然放射量の約1/100 という非常に少ない数値ですので、安全です。
★X線は何回まで撮影して大丈夫なの?
歯科のX線撮影は前述のように非常に少ない放射線量ですので、特に回数に制限はありません。
1 度に 17 万枚も撮影しなければ皮膚や毛髪などに影響は出ないといわれています。
★X線は身体にたまり、ガンになりやすくなるのではありませんか?
X線そのものは身体に蓄積しません。歯科用X線検査の、ガン、白血病が起こるリスク確率は、1回の照射で 10000~1 億分の 1 で、無視しても差し支えないレベルです。
★レントゲン写真を撮影した後に妊娠に気付きました‥赤ちゃんは大丈夫?
妊娠初期を含めた全期間を通じて、歯科医院で撮影するレントゲン写真は安全と考えて大丈夫です。パントモ撮影でも約 0.04msv。東京からニューヨークまでの飛行中に浴びる自然放射線量とほぼ同じです。奇形や精神発達遅延が現れるのに必要な放射線量は50msv 以上です。胎児がこれを超える放射線を受けなければ障害は発生しません。ご安心ください。
★レントゲン撮影時のエプロンは、どのような効果があるのでしょうか?
レントゲン写真を撮影する時に着用するエプロンには鉛が入っています。撮影時に鉛でできたエプロンをかけることによって、肺、胃、腸、卵巣などは、放射線による被爆をほぼゼロにすることができます。
エプロン以外にも、レントゲン室の壁やドアの中には鉛が入っており、外部に放射線が漏れないように工夫がされています。特に妊婦の方やお子さんは、安全を期するためにX線を通さない防護エプロンをつけてもらうことがありますが、歯科では線量が少ないのでつけなくても問題ありませんので、ご安心ください。

ページトップへ