デンタルニュース

2014.5月号 特集:歯周病と骨粗鬆症の関係

★骨粗鬆症(こつそそうしょう)とは?
骨粗鬆症とは、全身の骨の強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症になると、骨がスカスカの状態になり、くしゃみや寝返りだけで骨折してしまい、寝たきりの原因になってしまうこともあります。現在患者数は日本全国で 1300 万人とも言われており、その90%以上が女性です。
★歯周病の患者は骨粗鬆症になりやすい!?
愛知学院大学短期大学部の研究で、「残っている歯の数」と「骨密度」の関係性を調べたところ、正常な骨密度の人の90%以上は歯が20本以上残っていましたが、骨密度が低い人の70%は歯が20本未満しか残っていないことが分かりました。また、「歯周病の進行度」と「骨粗しょう症」との関係性では、歯周病が進行しているほど、骨粗鬆症の疑いが強いと診断される人が多かったそうです。
歯周病とは、歯と歯茎の間(歯周ポケット)に存在する歯周病菌によって、歯肉の炎症が起こり、やがては歯根を支えている骨が溶かされて歯がグラグラになり抜けてしまう恐ろしい病気です。骨粗鬆症により歯を支えている骨がスカスカな状態だと、歯周病によってさらに歯槽骨が溶け、抜けやすくなるのです。
★骨粗鬆症と歯周病を予防するには?
骨の強度はホルモンの影響を強く受ける事が分かっています。女性の場合、エストロゲンというホルモンが多ければ多いほど骨密度も上がります。
①カルシウム・イソフラボンを摂る
乳製品や大豆製品、小魚、緑黄野菜、海草など、カルシウムを沢山ふくんだ食品をしっかりとりましょう。また、イソフラボンは、エストロゲンと同じような働きをする力があります。納豆・豆腐・味噌・しょうゆ・豆乳・きなこ・油揚げ・厚揚げなどを摂取しましょう。
②よく噛んで食べる
だ液には、口の中の細菌を洗い流してくれる自浄作用があります。よく噛んで食べることは歯周病予防に効果的です。
③定期的に歯の予防処置を受ける
毎日歯磨きをしていても、汚れは落としきれません。その落としきれない汚れが歯石になり、歯周病になってしまうのです。歯科医院で、定期的にプロによる予防処置を受けましょう。

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