デンタルニュース

2013.8月号 特集:歯周病予防で認知症も予防!?

★増えている認知症患者
高齢化に伴い、認知症の患者数は年々増加しています。認知症とは、物を忘れたり場所や人を覚えられなくなるなど、日常生活に支障をきたす程度に記憶機能やその他の認知機能が低下した状態をいいます。その中の一種、アルツハイマーは、脳を構成している神経細胞が通常の老化よりも急速に減ってしまうことにより、認知症になってしまう病気です。
★歯周病とアルツハイマーの関係
最近の研究により、歯周病がアルツハイマー型痴ほう症を悪化させることが明らかになりました。これまで歯周病とアルツハイマー病の関係は科学的に研究されていませんでしたが、この実験により、歯周病治療で、認知症の進行を遅らせられる可能性が出てきたそうです。このほかにも、歯周病になり歯を失うと、うまく咀嚼ができなくなり、脳への刺激が低下しアルツハイマーになりやすくなると言われています。70歳後半の健康な高齢者の歯の本数は平均9本なのに対し、脳血管性認知症患者の歯の本数は平均6本、アルツハイマー型認知症患者の歯の本数は平均3本だという研究結果があります。
歯の本数が多い人ほど認知症になりにくい傾向にあるのです。
★歯周病を予防しよう
歯周病とは、歯垢(プラーク)の中の細菌によって歯肉に炎症を起こし、やがては歯を支えている歯槽骨を溶かし歯が抜けてしまう病気です。日本人の 30 歳以上の約80%以上の人が発症していると言われています。自覚症状がほとんどない為に、気づかないうちに悪化しがちですが、正しい知識と生活習慣で、十分に防げ、治せる病気でもあります。
1.歯磨き
歯周病の原因となるプラークを歯磨きで丁寧に取り除きましょう。自分での歯磨きでは取りきれない歯のすき間や、歯肉の境目の歯垢は、プロの手で歯のクリーニングをすることにより、効果的に除去することができます。磨き残した歯垢は 3 か月たつとその毒性が強くなるので、歯のクリーニングは 3 か月に 1 度が良いとされています。
2.生活習慣の改善
食生活:栄養バランスのとれた規則正しい食事を心がけましょう。
喫煙習慣:タバコを吸うと血行がわるくなり、歯周病を悪化させます。禁煙を心がけましょう。
不規則な生活:不規則な生活による睡眠不足は、体の免疫機能を低下させ、歯周病ケアにも影響が出ます。規則正しい生活を心がけましょう。また、メタボリックシンドロームは歯周病と深い関係があります。太りすぎないよう、適度な運動をしましょう。

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