デンタルニュース

2013.7月号 特集:原因不明の皮膚炎??歯科金属アレルギー

★歯科金属アレルギーってなに?
金属アレルギーとは、金属によってアレルギー反応を起こす症状の事を言います。
ネックレスや指輪などの身近な金属によって起きることが知られていますが、最近では、歯科治療で使用する金属によりアレルギーを起こす『歯科金属アレルギー』がテレビなどのメディアで注目されています。歯科金属アレルギーの症状は、皮膚炎や肩こり、頭痛など、全身に及ぶため、まさか原因が口の中の金属だと気づかず、長年症状に悩んでいる方もいらっしゃるようです。
★金属アレルギーはこうして発症する
通常金属は無害なものですが、口の中の金属が唾液などの水分によりイオン化することによって体の中に溶けだし、たんぱく質などと結びつき性質を変え、そのたんぱく質が抗原となってアレルギーを生じさせると言われています。症状は、口内炎、口唇炎、口角炎、舌炎、口腔扁平苔癬(へんぺいたいせん)、味覚異常、接触性皮膚炎、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、湿疹、アトピー性皮膚炎に似た症状、頭痛、肩こりなど実に様々です。アレルゲンが血流によって全身に運ばれるため、口腔内だけでなく全身に症状が現れるのです。
歯科金属アレルギーは、アクセサリーなどに比べて発症する可能性は低いと言われていますが、口の中は常にだ液などの水分があるほか、飲み物や食べ物によって酸性化したり、かみ合わせや歯磨きなどによって金属が摩耗したりと、金属がイオン化しやすい環境なのです。
★歯科治療にはどんな金属が使われているの?予防法は?
歯科治療では、歯の詰め物、かぶせ物のほか、入れ歯のバネやブリッジ、矯正などに金属を使用します。保険で使うのは、金パラやアマルガムなどです。金パラは、パラジウムを金銀と混ぜ合わせた合金です。アマルガムは銀とスズの合金に銅や亜鉛を添加した粉末を水銀で練ったもので、金属アレルギーになりやすいと言われています。歯科金属アレルギーの治療には、大学病院などでパッチテストという検査を受け、アレルゲンとなっている金属を特定する必要があります。
しかし予防は簡単です。金属を使わない歯科治療を選べばよいのです。当院でもセラミックを使ったメタルフリーの治療を用意しています。金属アレルギーの不安がないだけでなく、白くて美しく、精密に作るので保険治療よりずっと長持ちします。金属アレルギーがある方、花粉症などのアレルギー体質の方などに特にお勧めします。「お口の金属治療をすべてセラミックにしたら肩こりやアレルギーが軽減した」という症例もあります。セラミックを使った自費治療で、美しく、健康に不安のない生活を送りましょう。ぜひお気軽にご相談ください。

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