デンタルニュース

2016.12月号 口内炎かと思ったら癌だった!?

★口腔癌とは?
超高齢化社会が進んでいる昨今、高齢者の「口腔癌」が増加傾向にあります。口腔癌とは、口腔(口の中)にできる癌(がん)の総称です。口腔癌はできる場所によって、舌癌(ぜつがん)・歯肉癌(しにくがん)・口腔底癌(こうくうていがん)・頬粘膜癌(きょうねんまくがん)・口唇癌(こうしんがん)・口蓋癌(こうがいがん)に分類されます。
口腔癌の発生頻度は、癌全体の約 1~3%と、決して多くはないので、聞きなじみはないかもしれません。しかし、あまり知られていないために口内炎と勘違いをし、進行するまで放置されてしまうことも多く、口腔癌で亡くなる方が増えているのです。
★初期に見つけることが大切!
口腔癌は初期で発見することができれば、簡単な治療で治すことができます。後遺症もほとんど残ることはなく、5 年生存率は 90%以上との報告もあります。しかし、初期症状では痛みがないため気づきにくい病気です。
口腔癌の自覚症状で最も多いのが口腔内の痛みですが、痛みが出た時にはすでにかなり進行しているケースが多いので要注意です。その他、しこり、腫れ、ただれ、出血、歯のぐらつき、口臭などが挙げられますので、早めに歯科医院で口腔癌検診を受診しましょう。
■口腔癌セルフチェック。痛みがなくても要注意!
・固いしこりや腫れ、できものがある
・粘膜のただれや、赤や白のできものがある
・口内炎が 2 週間以上治らない
・抜歯した傷がなかなか治らない
・口腔内を噛んでできた傷がなかなか治らない
・入れ歯や差し歯が当たってできた傷が治らない
・舌がうまく動かない
・口が開きにくくなった
・唇や舌にしびれがある
★口腔癌の原因と口腔癌検診の重要性
口腔癌の原因は、合わない入れ歯を無理して使う、歯ぎしりや噛みしめで決まった部位を繰り返し噛む、などの慢性的な機械的刺激、喫煙や強いお酒の飲酒、辛い食事など刺激物による化学的刺激、進行した虫歯を放置したり、口の中が歯垢や歯石で汚れていたりすることによる口腔粘膜の慢性的炎症などです。つまり、口腔癌の予防で一番大切なことは、定期的に口腔癌検診を受けることです。検診を受けていれば、初期の癌を発見することもできます。かかりつけの歯科医院で相談しましょう。また、たばこやお酒なども控え、ストレスをためない生活を心がけましょう。

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