デンタルニュース

2015.2月号 特集:8020運動

★虫歯の原因になる3つの要素とは?
齲蝕は、ミュータンス菌などの虫歯の原因菌が、食べ物や飲み物に含まれる糖質を使って酸を作り出し、時間の経過と共に歯のエナメル質を溶かしてしまうところからはじまります。右の絵のように、「歯」「糖質」「むし歯菌」の 3 つの要素が重なる時間が短ければ虫歯になる可能性が低く、長ければ虫歯ができやすくなるのです。歯:歯の硬さや、だ液の力によって虫歯になりやすいかが左右されます。人の歯のエナメル質は不完全な結晶ですがフッ素が入ると結晶構造が強化され、むし歯になりにくくなります。むし歯菌:主なむし歯菌はミュータンス菌とラクトパチラス菌です。ミュータンス菌が歯垢のなかでネバネバ物質と酸をつくって初期のむし歯の穴をあけます。そこに強い酸をつくるラクトパチラス菌が住みつき、むし歯を悪化させる共同作戦です。歯をつるつるにして、むし歯菌を減らすことが大切なのです。
糖質:糖質が虫歯菌のご飯になり、プラーク(歯垢)が作り出されます。糖質はお菓子だけでなく、色々な食べ物に入っています。
★どうしたら虫歯を防ぐことができる?
むし歯予防には、食後に歯を磨きプラーク(歯垢)を取り除くことがもっとも大切です。
歯科医院でフッ素を塗布してもらって歯の質を強めたり、歯磨き後にむし歯菌のエサになる糖質を分解するキシリトールガムを噛むのも効果的です。
それに加えて大切なのは、飲食回数に気を付けることです。食後お口の中では、歯が溶け出す脱灰(だっかい)という作用と、溶けた歯が再び元の状態に戻っていく再石灰化(さいせっかいか)という作用が起こります。間食をして飲食の回数が増えると、脱灰の時間が長くなり、再石灰化の時間が短くなり虫歯になりやすくなります。飴やチョコなどを少しずつ食べながらや、甘い飲み物をちびちび飲みながらの仕事や勉強は、むし歯になりやすくなります。
★虫歯予防のため 3 か月に 1 度は定期検診を
むし歯は早期発見・早期治療が大事です。痛くなって歯医者に行ったら、むし歯が神経まで達しており、手遅れだった…というケースも少なくありません。
また、ご自身でのブラッシングでむし歯や歯周病の原因である細菌を完全に除去するのは困難です。そのため、3か月に 1 度の定期検診をお勧めしています。「3ヶ月に 1 度」である理由は、歯科医院で歯の治療やクリーニングを行ってからプラークや歯石が蓄積して、虫歯や歯周病のリスクが高まるサイクルが約 3 ヶ月だからです。大切な歯の為に、是非検診にお越しください。

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