デンタルニュース

2014.9月号 特集:歯を失う原因ワースト3

★長寿大国日本、でも歯の寿命は...
日本は、世界を見ても一番の長寿大国です。にもかかわらず歯の寿命は、長くなった平均寿命にまだまだ追いついていません。歯の寿命はスウェーデンやアメリカにくらべ短い傾向にあります。2012 年の厚労省 国民健康白書統計 年齢 80 歳残存歯数によると、スウェーデンでは残存歯数が 20 本、アメリカは13 本、日本は9.8本という結果でした。
同じ 80 歳でも、日本ではほとんどの人が入れ歯になっているのに対し、スウェーデンではほとんどの方が、ご自分の歯で食事を楽しめているのです。
★日本人が歯を失う原因、ワースト3はこれだ!
それでは、日本で歯を失う原因ワースト3を見てみましょう
1.歯周病
歯周病とは、歯垢に含まれる歯周病菌が原因で、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、最後には歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。日本人の 30 代以上の 8 割が罹っていると言われています。歯がぐらついてきた時には手遅れ。歯茎から血がでたらすぐに歯科医院へ行きましょう。
2.むし歯
むし歯が重度になると神経を取ります。やがて歯がボロボロになります。保険の土台(コア)は金属なので、強く噛むと歯根が割れてしまい(歯根破折)歯を失う大きな原因になります。
3.破折
突然の事故で歯が折れてしまったり、どこかにぶつかって歯に大きなヒビが入ってしまうと、噛む機能が損なわれたり、周囲の歯に悪影響を及ぼすので、抜歯が必要になることがあります。
★痛くなってから治療するのでは遅すぎる!
一度むし歯や歯周病になると自然に治ることはありません。そして治療をしても、噛む能力は元の状態に近づけることはできても、完全に治すことはできません。また、かぶせ物や詰物の下にむし歯が再発することも多く、再発するとまた歯を削るので歯に負担をかけ、やがて神経をとることになります。治療を繰り返すことで、どんどん歯の寿命が短くなってしまうのです。
日本人とスウェーデン人やアメリカ人の残存歯数の差には、意識の違いがあると言われています。
日本人は、「年をとったら、歯を失うのが当たり前。歯が痛くなってから歯医者へ行けばいい」と思っている人が多いのに対し、他の国では 80 歳になっても自分の歯で噛めるように、日頃から歯を守るためのメンテナンスをしているのです。
いつまでも健康な歯を保つことは、美味しく食事がとれるだけでなく、健康な脳や筋力にもつながります。定期的に歯科医院で検診やクリーニングを受け、8020 を目指しましょう!

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