デンタルニュース

2026.1月 歯医者でできるインフルエンザ予防とは!?

インフルエンザの予防というと、手洗いやうがい、ワクチン接種を思い浮かべる方が多いと思います。しかし近年の研究により、インフルエンザウイルスが体に感染する際、歯周病がその感染を助けてしまうことが分かってきました。
インフルエンザウイルスは、鼻や口の粘膜から体内に侵入します。ウイルスは、細胞表面の特定の部分に結合することで体内に入り込みます。通常は、ウイルスが単独で細胞に結合しようとします。ところが、お口の中に歯周病菌が多いと状況が変わります。歯周病菌が出す毒素(酵素)が細胞表面に作用し、ウイルスが入りやすい状態を作ってしまうのです。
さらに歯周病菌は、インフルエンザウイルスを体の奥深くの細胞にまで運び、感染や重症化を助長する働きも持っています。
歯周病菌は口の中に常に存在する細菌ですが、口腔環境が悪化して歯周病を発症すると、「インフルエンザに感染しやすい」「重症化しやすい」という二重のリスクを抱えることになります。

歯周病だと薬が効きにくくなる!?

また、歯周病を発症していると、体内で増えるインフルエンザウイルスの量が 21~28 倍になるという報告があります。そのため、「タミフル」や「リレンザ」などの抗インフルエンザ薬の効果が十分に発揮されにくくなる可能性が指摘されています。
一方で、高齢者を対象とした研究では、歯科の専門家による口腔ケアを受けた人は、インフルエンザの発症率が約 10 分の 1 に減少したという報告があります。これは、お口の中を清潔に保つことで歯周病菌などの細菌が減り、ウイルスが体に入り込みにくい状態が保たれたためと考えられています。
さらに、口腔ケアによって唾液の分泌が促されます。唾液にはウイルスを防ぐ働きがあり、お口はインフルエンザの侵入口を守る「最初の防御壁」になります。その結果、体全体が感染しにくい状態に保たれると考えられています。

歯周病を予防しよう!

歯周病は、歯周病菌によって歯を支える骨が溶かされ、最終的には歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。
さらに歯周病は、今回ご紹介したインフルエンザだけでなく、糖尿病、心臓病、脳卒中、誤嚥性肺炎、メタボリックシンドロームなど、多くの全身疾患のリスクを高める「全身疾患の入り口」であることが、近年の研究で分かってきています。
歯周病予防には、毎日の歯みがきに加えて、歯科医院での定期的な検診と専門的なクリーニングが欠かせません。歯科医院では、普段の歯みがきでは取りきれない歯にこびりついた歯垢や細菌をしっかり取り除くことができます。

歯周病は、歯だけの病気ではありません。体の健康を守るためにも、3ヶ月に一度は歯科受診を心がけましょう。

ページトップへ