デンタルニュース

2025.9月 噛む力で守る!健康寿命

私たちは毎日、何気なく「噛む」という動作を繰り返しています。しかし、この「噛む力」は、食事を楽しむためだけでなく、全身の健康を支える重要な役割を担っています。近年の研究では、噛む力の低下が「食べづらい」「飲み込みづらい」といった口の中の問題だけでなく、肥満・認知症・糖尿病・心疾患・転倒リスクの増加など、さまざまな全身疾患と関係していることが分かってきました。

噛む力が低下するとどうなる?

よく噛むことには、唾液や胃液の分泌を促し消化吸収を助けるほか、脳の血流を増やして老化を予防、五感の刺激による食欲増進、満腹中枢の刺激による過食防止など、多くの健康効果があります。 特に唾液は「長生きの基」とも呼ばれ、味覚を感じる、口の汚れを洗い流す、細菌の繁殖を抑える免疫物質を分泌して病気を防ぐ、といった重要な働きを持っています。しかし、年齢とともに噛む力が弱まると、硬い食品や繊維質の多い野菜、噛みごたえのある肉や魚を避けがちになります。その結果、柔らかい炭水化物中心の食事に偏り、肥満や動脈硬化のリスクが高まります。さらに、たんぱく質不足による筋力低下が転倒や骨折を招き、栄養不足による認知機能の低下にもつながります。

噛む力の低下がオーラルフレイルにつながる

噛む力の低下は、やがてオーラルフレイル(口の虚弱)につながります。オーラルフレイルとは、口の機能がわずかに低下した状態で、全身のフレイル(虚弱)の入り口とも言われています。初期段階では、「少し食べにくくなった」「むせることが増えた」といった小さな変化にすぎませんが、放置すると噛む・飲み込む・話すといった機能が低下し、栄養状態や体力の低下へとつながります。 オーラルフレイルは早期発見・早期対応で改善が可能です。「噛みにくい」「むせやすい」などのサインを見逃さず、日々のケアと定期的な歯科受診を心がけましょう。

オーラルフレイルのセルフチェック表

「噛む力」は、単に歯や口の問題ではなく、生きる力そのものです。もし、最近硬いものが食べづらくなった、入れ歯が合わなくて使っていない、そんなお悩みがあれば、当院へお気軽にご相談ください。

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