デンタルニュース

2022.8月 すっぱいもので歯が溶ける!?酸蝕症に気をつけよう

★酸蝕症とは
夏場は、さっぱりした酸っぱい食べ物が食べたくなったり、スポーツドリンクを飲む機会が増えます。そこで注意したいのが酸蝕症です。酸蝕症とは、胃液の逆流や飲食物に含まれる酸によって歯が溶けていくことです。近年、食事の欧米化や健康志向から酸性度の高い食事を好む方が増え、酸蝕症の症状がみられる人が増加しています。国民の4人に1人は罹患していると言う調査結果もあり、虫歯や歯周病に続く第三の歯の疾患として注目を集めています。
歯の表面は、エナメル質という組織で覆われています。エナメル質はリン酸カルシウムの一種からできており、人体で一番固い組織です。ところが、強い酸に触れると化学反応をおこして溶けだしてしまうのです。エナメル質が溶けると、その下にある象牙質がむき出しの状態になります。象牙質はエナメル質より柔らかいので、食べ物を噛んだり、歯磨きをするとどんどんすり減っていきます。これを放っておくと、知覚過敏や歯の着色、虫歯の進行など、様々なトラブルが起きてしまいます。

★酸蝕症の原因


酸蝕症の原因は、体内から胃酸など口の中に酸が出てくることによる内因性のものと、酸性度の高い飲食物による外因性のもの、の二つに分けられます。そして、外因性の原因は、酸性の強い飲食物やサプリメント等です。
右の表は、普段よく口にする飲食物のpHの数値です。オレンジ―ジュースやスポーツドリンク、コーラなどは、特にpHが低く強い酸性であることが分かります。

 

★酸蝕症を防ぐには
PH値の低い飲み物を飲んでも、すぐには酸蝕歯になりません。それは、歯の汚れを洗い流す唾液の自浄作用が働いているからです。酸蝕症予防のために、次のことに気をつけましょう。
・酸性の飲食物を控える(少しだけ控えるだけでも効果はあります。)
・酸性の食べ物や飲み物を取った後は、水でうがいをする。
・酸性飲食物をだらだら食べたり飲んだりしない。
お口の中が酸性の環境に長くさらされ、唾液による再石灰化の時間が短くなると、酸蝕症になるリスクが高くなります。できることから気をつけて、大切な歯を守りましょう。

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