デンタルニュース

2016.8月号 スポーツドリンクで隠れむし歯の危険!?

暑い季節に大切なのが水分補給です。冷たいジュースやスポーツドリンクなどの甘い飲み物を飲みすぎてはいませんか?これらの飲み物はダイエットの大敵であるだけでなく、あなたの大切な歯が溶けて、むし歯になってしまうかもしれないのです。
★酸蝕歯(さんしょくし)とは?
皆さん、「pH(ペーハー)」という言葉を聞いたことはありますか?中学の理科の実験で、リトマス試験紙を使い、色が変わったのを覚えていますよね。これは水性イオン指数(potentialHydrogen)の略で、酸性・アルカリ性の程度を表す言葉です。歯の表面を覆うエナメル質は酸に弱く、お口の中が「pH5.4」より低い値(酸性環境)になると溶けはじめます。エナメル質が溶けると、むし歯や知覚過敏の原因になるほか、着色して歯にまだら模様ができたりします。こうなった歯を『酸蝕歯(さんしょくし)』と呼び、審美治療が必要になりす。
左の表は、普段よく口にする飲み物のpH の数値です。
ちょうどミネラルウォーターの pH7が中性です。
オレンジ―ジュースやスポーツドリンク、コーラなどは、特に pH が低いことが分かります。

★唾液の自浄作用
PH 値の低い飲み物を飲んでも、すぐにはむし歯にはなりません。それは、唾液の自浄作用が働いているからです。唾液には、歯の汚れを洗い流す働きと、酸を中和する働き、そして溶けた歯の再石灰化を促進する働きがあり、お口の環境を守っています。しかし、飲みすぎや長い時間をかけてちびちび甘い飲み物を飲むのは禁物。お口の中が酸性環境に長くさらされ、唾液による再石灰化の時間が短くなって、むし歯になるリスクが高くなるからです。
水分補給はなるべく水かお茶で。ジュースやスポーツドリンクを飲むときは短時間で飲み切って、飲み終わったらすぐに水で口をゆすぎましょう。また、気づかない間にむし歯になっているかもしれません。3 か月に一度は歯科検診を受けて、お口を健康に保ちましょう。

ページトップへ