デンタルニュース

2013.1月号 特集:予防歯科が全身を救う!?

★本当に恐ろしい虫歯や歯周病
虫歯の原因となる「ミュータンス菌」の一種に感染すると、腹痛や腸内出血などを繰り返す難病の潰瘍性大腸炎となるリスクが4倍以上になることを、大阪大や横浜市立大、浜松医科大などの研究チームが突き止めました。また、歯周病菌は糖尿病などの恐ろしい成人病の原因因子になっていることも明らかになってきました。ほかにも歯周病は、心筋梗塞、骨粗しょう症、メタボリックシンドローム、肺炎、ガン、動脈硬化、認知症など、様々な全身の病気と深くかかわっているのです。
★その汚れ、落ちていません!
お口の汚れにはプラーク(歯垢)とバイオフィルム、そして歯石があります。バイオフィルムとは、ミュータンス菌をはじめとする多くの細菌が集まって作られる膜状の塊の事で、例えば台所やお風呂の流しの排水溝にたまる「ヌルヌル汚れ」などもバイオフィルムです。歯磨きでは、歯垢は落とせてもバ
イオフィルムまでは完全には落とせません。洗口剤でも死滅させることはできません。しかし、定期的に落とさなければ、やがて歯石になり、歯を溶かし虫歯や歯周病の原因になるのです。そこで必要なのが予防歯科です。
★予防歯科(PMTC)とは?
当院では、保険の定期検診のほかに自費での予防歯科もお選びいただけます。予防歯科の主な内容はPMTC。これはプロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの頭文字をとったもので、専門家による歯面清掃のことです。特別な機械を使って歯を一本一本丁寧に磨きあげ、バイオフィルムなどの汚れを徹底的に除去し、保険適用外のハイドロキシアパタイト(HA)入りの超微粒子歯磨きを特殊な器具で歯面に練りこみます。こうするとHAが歯面のミクロン単位の小さな穴に入り込み、細かなデコボコが埋められて表面がつるつるピカピカになるのです。また、HAは歯を再石灰化する働きがあり、3 か月くらいで歯の表面の削れたところやデコボコになったところを修復してくれるのです。プラークやステイン(色)、タバコのヤニまでつきにくくなり、むし歯や歯周病に対する高い予防効果が維持できるのです。
★体の健康のためにもPMTCを受けよう
病気にならないためには予防が大切です。これは歯科の場合も同じ。むし歯や歯周病にならないために、また被せ物や詰め物を長持ちさせるために予防が大切なのです。定期的に歯科医院で予防処置を受けると、虫歯や歯周病だけでなく全身の疾患の予防にもつながります。
お口と体の健康を守るために 3~4か月に 1 度は予防歯科を受けてくださいね。

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