詰め物が取れたまま放置するとどうなる?歯科医師が正直に教えます
「詰め物が取れたけど、痛くないしそのままでいいか…」「忙しくてなかなか歯医者に行けない」「また詰めてもらうだけだから、急がなくていいよね?」詰め物が取れても、痛みがなければそのまま放置してしまう方は意外と多くいらっしゃいます。しかし、詰め物が取れた状態を放置することには、思わぬリスクが潜んでいます。この記事では、詰め物が取れたまま放置するとどうなるか・応急処置の方法・受診の目安を歯科医師が正直にお伝えします。
① 詰め物が取れる原因は何?
Q-詰め物はなぜ取れるのですか?
A- 詰め物が取れる原因はいくつかあります。原因によっては、ただ詰め直すだけでなく、追加の治療が必要になることがあります。
詰め物が取れる主な原因
✔ 接着剤(セメント)の劣化
詰め物を歯に固定している接着剤は、時間とともに劣化します。特に古い詰め物は接着力が弱まり、食事中に外れやすくなるとされています。
✔ 詰め物自体の変形・劣化
金属の詰め物は長年の使用で変形・収縮することがあります。歯との間に隙間ができることで、外れやすくなるとされています。
✔ 詰め物の下に虫歯ができた(二次虫歯)
詰め物と歯の間に虫歯が発生し、歯が溶けることで詰め物が浮いて外れることがあります。
✔ 噛み合わせの問題
強い噛み合わせ・歯ぎしり・食いしばりによって、詰め物に過度な力がかかり外れることがあります。
✔ 硬いものを噛んだ衝撃
氷・飴・硬いパンなどを噛んだ際の衝撃で外れることがあります。
② 放置するとどうなる?
Q-詰め物が取れたまま放置すると、具体的にどんなことが起きますか?
A- 「痛みがないから大丈夫」は危険な思い込みです。放置することで、思いがけないトラブルが連鎖的に起きることがあります。
放置すると起きること①|虫歯が急速に進行する
詰め物が外れた歯は、エナメル質が削られた状態(象牙質が露出した状態)になっていることがほとんどです。象牙質はエナメル質より柔らかく、虫歯菌の酸に対して非常に弱いとされています。
詰め物があった部分は、歯の表面がすでに削られているため、虫歯菌が入り込みやすい状態です。放置すればするほど、虫歯が急速に進行するリスクが高まります。
放置すると起きること②|神経まで虫歯が達する
上記の虫歯が進行すると、やがて歯の神経(歯髄)に達することがあります。神経まで達すると、激しいズキズキとした痛みが出るほか、神経を取り除く根管治療が必要になります。
「痛くなかった詰め物の穴」が、放置することで「神経の治療が必要な状態」になってしまうケースは珍しくありません。
放置すると起きること③|歯が割れる・欠ける
詰め物がない状態の歯は、食事のたびに直接噛み合わせの力を受けることになります。詰め物で補強されていない歯は非常に脆く、硬いものを噛んだときに割れたり・欠けたりするリスクが高まるとされています。
特に歯の根まで割れてしまった場合(歯根破折)は、多くの場合抜歯が必要になります。
放置すると起きること④|歯が移動する
歯は隣の歯・噛み合わせの歯と支え合いながら正しい位置を保っています。詰め物が取れた状態が長く続くと、その隙間に向かって隣の歯が傾いてきたり、噛み合わせの歯が伸びてきたりすることがあります。
歯が移動してしまうと、詰め物を作り直す際に適切な形で収まらなくなることがあります。
放置すると起きること⑤|食べかすが詰まり口臭の原因になる
詰め物が取れた穴に食べかすが溜まりやすくなります。溜まった食べかすは細菌のエサになり、口臭の原因になることがあります。また、穴の中で細菌が繁殖することで、虫歯のリスクもさらに高まります。
放置すると起きること⑥|治療が大がかりになる
最終的に最も大きな問題は「治療の規模が大きくなる」ことです。
| 放置期間 | 起きやすい状態 | 必要な治療 |
|---|---|---|
| 数日〜1週間 | 歯が汚れてきた | 詰め直すだけで済む可能性が高い |
| 数週間〜1か月 | 虫歯が進行し始める | 削り直して詰め直しが必要 |
| 数か月 | 虫歯が象牙質深くまで達する | 神経の治療が必要になることも |
| 半年以上 | 歯が割れる・神経が壊死する | 抜歯・インプラント・ブリッジが必要になることも |
③ 取れた詰め物はどうすればいい?
Q-取れた詰め物は捨てていいですか?保管しておくべきですか?
A- 捨てずに保管しておくことをおすすめします。状態が良ければ、そのまま再装着できることがあります。費用・治療時間の節約につながる可能性があります。
保管の方法
- 清潔なティッシュやポリ袋に入れて保管する
- 自分で詰め直そうとしない(市販の接着剤は使わない)
- 受診の際に必ず持参する
④ 自分でできる応急処置
Q-歯科医院に行くまでの間、自分でできる応急処置はありますか?
A- あくまでも歯科医院を受診するまでの一時的な応急対応です。以下のことを心がけてください。
応急処置のポイント
✔ 患部で硬いものを噛まない
詰め物がない歯に強い力をかけると、割れ・欠けのリスクが高まります。反対側の歯で噛むようにしましょう。
✔ 甘いもの・冷たいもの・熱いものを避ける
象牙質が露出しているため、甘いもの・温度刺激で痛みが出やすい状態です。できるだけ刺激を避けましょう。
✔ 丁寧なブラッシングを続ける
穴に食べかすが溜まりやすいため、食後の歯磨きを丁寧に行いましょう。ただし患部を強くブラッシングすることは避けてください。
✔ 市販の接着剤で自分で詰め直さない
市販の瞬間接着剤などで自分で詰め直すことは非常に危険です。歯・歯茎を傷つける・後の治療が困難になるなどのリスクがあるため、絶対に避けてください。
⑤ どのくらいで受診すべき?
Q-詰め物が取れたら、どのくらい急いで歯科医院に行くべきですか?
A- 基本的にはできるだけ早めに(1週間以内が目安)受診することをおすすめします。ただし状況によって緊急度が異なります。
緊急度別の受診目安
すぐに受診(当日〜翌日)
- 強い痛み・ズキズキする痛みがある
- 歯が大きく欠けた・割れた感じがある
- 歯茎が腫れている
早めに受診(数日〜1週間以内)
- 痛みはないが、冷たいもの・甘いものがしみる
- 穴が大きい・深い感じがある
- 食べかすが詰まりやすい
なるべく早く受診(1〜2週間以内)
- 痛みもしみる症状もない
- 穴が小さい感じがする
「痛みがないから大丈夫」と思って放置しがちですが、痛みがない段階こそが最も治療が簡単に済むタイミングです。
⑥ よくあるご質問(Q&A)
Q-詰め物が取れたのに全然痛くありません。本当に急いで行く必要がありますか?
A-痛みがないのは「まだ虫歯が神経に達していない」からです。しかし放置すると確実に状況は悪化します。「痛くない今」が最も治療が簡単で費用も少なくて済む段階です。早めに受診されることをおすすめします。
Q-同じ箇所の詰め物が何度も取れます。なぜですか?
A-繰り返し取れる場合、噛み合わせの問題・二次虫歯・詰め物の形が合っていないなどの原因が考えられます。単純に詰め直すだけでなく、原因を調べてもらうことが大切です。
Q-詰め物ではなく被せ物(クラウン)が取れた場合も同じですか?
A-はい、同様に早めの受診をおすすめします。被せ物が取れた場合も、中の歯が虫歯になりやすい・歯が欠けやすいリスクがあります。取れた被せ物も保管して持参してください。
Q-子どもの乳歯の詰め物が取れました。乳歯だから放置してもいいですか?
A-乳歯でも放置はおすすめできません。乳歯の詰め物が取れた場合も、虫歯の進行・歯の移動・永久歯への影響が起きることがあります。早めにご受診ください。
⑦ 海老名・厚木のたんぽぽ歯科からのメッセージ
「詰め物が取れたくらいで歯医者に行くのは大げさかな」と思っている方——決して大げさではありません。詰め物が取れた状態は、虫歯・歯の破折・歯の移動など、さまざまなトラブルへの入口になっています。
「痛くない今」に受診することが、治療を最も小さく・安く・短期間で終わらせるための最善の選択です。
たんぽぽ歯科(海老名・厚木)では、詰め物が取れた方のご来院も随時お受けしています。「取れたばかり」「しばらく放置してしまった」どちらの方もお気軽にご来院ください。スタッフ一同、笑顔でお迎えします😊
こんな方はぜひご来院ください
- 詰め物・被せ物が取れた
- 取れてからしばらく経ってしまった
- 痛みはないが気になっている
- 同じ箇所の詰め物が繰り返し取れる
- 子どもの詰め物が取れた
ご予約はこちらへ WEB予約|海老名、厚木の歯医者『たんぽぽ歯科』


