子どもが歯をぶつけた!乳歯が折れた・欠けた・抜けたときの正しい対処法を歯科医師が解説
「子どもが転んで歯をぶつけた!」「乳歯が折れてしまった…どうすればいい?」「血が出ていて、歯がグラグラしている…」お子さまが歯をぶつけたとき、親御さんはパニックになってしまうことも多いかと思います。こういうとき、正しい対処法を知っているかどうかで、その後の歯の状態が大きく変わることがあります。この記事では、子どもが歯をぶつけたときの対処法・受診の目安・歯科医院でできることを、歯科医師がわかりやすくお伝えします。
① まず落ち着いて、状態を確認しよう
Q-子どもが歯をぶつけました。まず何をすればいいですか?
A- まずは深呼吸して落ち着きましょう。親御さんが慌てると、お子さまの不安が増してしまいます。出血があっても、少量であれば心配しすぎなくて大丈夫です。まず以下の順番で確認してください。
確認すべきこと
✔ 意識・頭の状態を確認する(最優先)
歯よりも先に、頭を打っていないかを確認しましょう。以下の症状がある場合は、歯よりも頭部の受傷が疑われるため、すぐに救急病院を受診してください。
- 意識を失った・ぼーっとしている
- 吐き気・嘔吐がある
- 頭痛がひどい
- 目の焦点が合っていない
- けいれんが起きている
✔ 口の中・歯の状態を確認する
頭部に問題がないことを確認したら、次に口の中を確認します。
- 歯が折れていないか・欠けていないか
- 歯がぐらついていないか
- 歯が抜けてしまっていないか
- 歯の位置がずれていないか
- 歯茎・唇・口の中が切れていないか
✔ 出血を止める
口の中や唇からの出血は、清潔なガーゼや布を当てて軽く押さえ、5〜10分ほど圧迫することで多くの場合止血できます。
② 状態別の対処法
Q-歯の状態によって対処法は変わりますか?
A- はい、歯の状態によって対処法が異なります。それぞれの状況に応じた正しい対応を覚えておきましょう。
ケース1|歯が折れた・欠けた
すぐにすること
- 折れた歯のかけら(破片)を探して保管する
- 破片は乾燥させないことが重要です
- 牛乳に浸して保管するか、お子さまの口の中(頬の内側)に入れておくと歯の細胞が生きやすくなるとされています
- 水道水に長時間浸けるのはNG(細胞が壊れるため)
- できるだけ早く(当日中に)歯科医院を受診する
なぜ破片を持っていくの?
破片を持参することで、接着して修復できる可能性があります。特に折れた部分が大きい場合は、破片を活用することで見た目・機能の回復が期待できることがあります。
ケース2|歯がぐらついている・位置がずれている
すぐにすること
- ぐらついている歯を無理に引っ張ったり、押し込んだりしない
- 固いものを噛まない
- できるだけ早く(当日中に)歯科医院を受診する
歯がずれている場合は、歯科医師が元の位置に戻す処置を行います。時間が経つほど戻しにくくなることがあるため、早めの受診が重要です。
ケース3|乳歯が完全に抜けてしまった
乳歯が抜けた場合は、永久歯とは対応が異なります
乳歯が完全に抜けてしまった場合、永久歯と違い基本的に再植(抜けた歯を戻す処置)は行わないとされています。これは、乳歯を無理に戻そうとすることで、下に控えている永久歯の歯胚(歯の芽)を傷つける可能性があるためです。
すること
- 出血を清潔なガーゼで圧迫して止血する
- 抜けた乳歯は持参する(歯科医師が確認のため必要なことがある)
- 翌日までに歯科医院を受診する
ただし以下の場合は早めに受診を
- 出血がなかなか止まらない
- 歯茎が大きく傷ついている
- 何本もぶつけた・折れた
ケース4|見た目は変わらないが痛そうにしている
歯が折れていなくても、ぶつけた衝撃で歯の内部(神経・血管)にダメージを受けていることがあります。外から見て問題なくても、数日〜数週間後に以下のような変化が起きることがあるとされています。
- 歯の色が変わってくる(黒っぽく・茶色になる)
- 腫れ・痛みが出てくる
- 歯茎にプツッとしたものができる(フィステル)
これらは歯の神経が壊死している可能性があるサインです。後から症状が出てくることも多いため、ぶつけた直後に問題なく見えても、一度歯科医院でご確認されることをおすすめします。
③ やってはいけないこと
Q-子どもが歯をぶつけたとき、やってはいけないことはありますか?
A- 良かれと思った行動が、かえって歯の状態を悪化させることがあります。以下のことは避けてください。
❌ 抜けた歯を水道水で洗う・長時間水に浸ける
歯の根の表面には「歯根膜」という大切な細胞があります。水道水に長時間浸けると、この細胞が壊れてしまい、再植の成功率が下がるとされています。
❌ ティッシュで包んで保管する
乾燥によって歯根膜の細胞が死んでしまいます。必ず牛乳・生理食塩水・お子さまの口の中で保管しましょう。
❌ ぐらついている歯を無理に触る・引っ張る
ぐらついている歯を無理に動かすと、さらに神経・血管を傷つける可能性があります。
❌ 「乳歯だからいいや」と放置する
乳歯へのダメージが、下にある永久歯の歯胚に影響することがあるとされています。「どうせ生え変わるから」と放置することはおすすめできません。
❌ 頭を打っているのに歯だけを気にする
繰り返しになりますが、頭部への影響を最優先に確認してください。
④ 受診のタイミング・緊急度の目安
Q-どのくらい急いで歯科医院に行けばいいですか?
A- 状態によって緊急度が異なります。以下を参考にしてください。
すぐに救急へ(歯より頭部優先)
- 意識がない・もうろうとしている
- 嘔吐している
- けいれんしている
- 頭痛がひどい
当日中に歯科医院へ
- 歯が折れた・大きく欠けた
- 歯の位置が大きくずれている
- 出血がなかなか止まらない
- 歯が完全に抜けた(乳歯・永久歯どちらも)
- 永久歯が折れた・抜けた(特に緊急)
翌日〜数日以内に歯科医院へ
- 歯が少し欠けた(痛みが少ない)
- ぶつけたが見た目の変化がない
- 軽いぐらつきがある
後日でも受診をおすすめ
- ぶつけた後、数日〜数週間で歯の色が変わってきた
- 歯茎にプツッとしたものができた
- 噛むと違和感がある
⑤ 歯科医院ではどんな処置をするの?
Q-子どもが歯をぶつけて受診すると、歯科医院ではどんな処置をしてもらえますか?
A- 歯の状態・お子さまの年齢・永久歯への影響などを総合的に判断して、適切な処置を行います。
歯科医院でできる主な処置
✔ レントゲン撮影
歯の内部・根の状態・永久歯胚への影響を確認します。見た目では分からない損傷も発見できます。
✔ 折れた歯の修復
破片がある場合は接着して修復できることがあります。破片がない場合はレジン(歯科用プラスチック)で形を整えます。
✔ 動揺歯の固定
ぐらついている歯を隣の歯に固定する処置です。一定期間固定することで、歯が安定することがあります。
✔ 歯髄(神経)の処置
神経が露出している・ダメージを受けている場合は、適切な保護・処置を行います。
✔ 経過観察
すぐに処置が必要でない場合でも、定期的に経過を確認することが大切です。後から症状が出てくることがあるためです。
⑥ よくあるご質問(Q&A)
Q-乳歯がぶつかってグラグラしています。自然に抜けるのを待てばいいですか?
A-生え変わりの時期に近い乳歯であれば、自然に抜けるのを待つことが多いとされています。しかし生え変わりにはまだ早い時期の乳歯がぐらついている場合は、歯科医院での確認が必要です。根の状態・永久歯への影響を確認したうえで判断します。
Q-ぶつけた歯が黒っぽく変色してきました。大丈夫ですか?
A-歯が黒っぽく変色するのは、歯の神経が壊死してきているサインである可能性があります。すぐに痛みが出るわけではありませんが、そのままにしておくと根の先に膿ができるなど、永久歯への影響が出ることがあります。早めに歯科医院を受診してください。
Q-ぶつけたのは永久歯です。乳歯と対処法は違いますか?
A-永久歯が抜けてしまった場合は、乳歯と違い「再植(歯を戻す処置)」が可能な場合があります。抜けた歯を乾燥させずに(牛乳・口の中で保管)、できるだけ早く(30分以内が目安)歯科医院を受診することが重要です。永久歯が抜けたときは特に緊急性が高いと覚えておいてください。
Q-保育園・幼稚園・学校でぶつけた場合は?
A-保育園・幼稚園・学校での歯のけがは、日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象となることがあります。治療費の一部が給付される可能性がありますので、学校・園に確認のうえ、歯科医院で書類を作成してもらいましょう。
⑦ 海老名・厚木のたんぽぽ歯科からのメッセージ
子どもが歯をぶつけたとき、親御さんが冷静に正しい対処ができるかどうかで、その後の歯の運命が変わることがあります。この記事でお伝えした対処法を、ぜひ頭の片隅に入れておいてください。
「乳歯だから大丈夫」は禁物です。乳歯へのダメージが永久歯に影響することもあります。気になることがあれば、早めにご相談ください。
たんぽぽ歯科(海老名・厚木)では、お子さまの歯のけがにも対応しています。「ぶつけたけど大丈夫かな」「見た目は変わらないが心配」という場合も、どうぞお気軽にご来院ください。スタッフ一同、笑顔でお迎えします😊
こんな方はぜひご来院ください
- 子どもが歯をぶつけた・転んで歯を打った
- 乳歯が折れた・欠けた・ぐらついている
- ぶつけた後、歯の色が変わってきた
- 以前ぶつけた歯が気になっている
- 歯のけがの後、定期的に経過を見てほしい
ご予約はこちらへ WEB予約|海老名、厚木の歯医者『たんぽぽ歯科』


