デンタルニュース

2025.1月その歯、くさび状欠損かも!?

歯磨きをしているときや食事中に、「歯がしみるなぁ…」と感じたことはありませんか?その原因のひとつとして「くさび状欠損」が挙げられます。くさび状欠損(WSD: wedge shaped defect)とは摩耗症の一種で、歯の生え際の表面がすり減り、その象牙質が露出し、欠損部が三角形のくさび型に見えるのでこのような名前が付けられています。30 代を過ぎると年齢と共に多くみられるようになる症状で、犬歯や小臼歯の唇側によく発生します。

進行すると、次のような場面で歯がしみたり痛んだりすることがあります

  • 冷たい飲み物や食べ物を口にしたとき
  • 歯磨き中に歯ブラシが当たったとき
  • 息が当たったり、歯医者さんでエアーを当てられりしたとき

★どうしてくさび状欠損が起こるの?

  • 強すぎるブラッシング

歯磨きの力が強すぎると、歯の根元の表面が少しずつ削れていきます。研磨剤入りの歯磨き粉を使ってゴシゴシ磨くと、さらに削れやすくなります。適切な力加減は「歯ブラシの毛先が広がらない程度」。力任せではなく、「優しく歯の汚れをとるように磨く」ことを心がけましょう。

 

  • 歯ぎしりや食いしばり

寝ている間に歯ぎしりをしたり、無意識に歯をぐっと食いしばったりすることも、歯に大きな負担をかけるため、くさび状欠損の原因になることがあります。

 

★放置するとどうなるの?

くさび状欠損をそのままにしておくと、冷たいものがしみる「知覚過敏」や、歯磨き時の痛みの原因になることがあります。その結果、歯磨きを避けてしまい、歯垢や歯石がたまりやすくなり、虫歯や歯周病が進行する可能性も…。

くさび状欠損の治療には、以下のような方法がありますコンポジットレジンの充填

削れてしまった部分に歯科用樹脂(コンポジットレジン)を詰め、しみる症状を軽減します。正しいブラッシング方法の指導

原因が強すぎるブラッシングの場合、適切な歯磨きの仕方をお伝えします。歯ブラシの選び方や力加減、動かし方を工夫することで、くさび状欠損の進行を防ぐことができます。

 

★歯ぎしりや食いしばりへの対応

歯ぎしりが原因の場合は、専用のマウスピース(ナイトガード)を制作します。寝るときに装着することで、歯にかかる負担を軽減し、欠損が悪化するのを防ぎます。

くさび状欠損は自然に治ることはありません。歯のトラブルは早めの対処が大切です。気になる症状があれば、ぜひお気軽にご相談ください!

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